犬の去勢・避妊手術は「子犬を生ませるつもりがない」飼い主の方だけでなく、「愛犬の病気のリスクを下げる」ためにも推奨されているもの。
病気を予防して愛犬に長生きしてもらうために、子犬のうちに手術を検討する飼い主は少なくありません。
去勢・避妊手術を検討している方が気になるのは、「費用」や「手術の時期」ですよね。
手術って聞くと高そう……。
まだ小さいから受けなくてもよさそうだし。
この記事では、去勢・避妊手術の費用や適切な手術時期についてくわしく解説します。
こんな疑問がある方におすすめ
- 去勢・避妊手術の費用はいくらかかる?
- 去勢・避妊手術はしないとどうなるの?
はじめて犬をお迎えする方の中には、健康な体を傷つけることや手術のリスクがこわくて、手術を受けるか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
記事の後半では、そんな去勢・避妊手術のメリットやデメリットについて解説するので、悩んでいる方はそちらもぜひチェックしてくださいね!
・去勢・避妊手術の費用と時期
・去勢・避妊手術のメリットとデメリット
運営者のアヤまるです。
ごきげんトイプー「ちゃちゃ」とともに、実体験を踏まえて犬のお迎えのサポートをします!
一緒に考えよう♪
去勢・避妊手術の費用は?
トイプードルのような小型犬の場合、
去勢手術の費用は約2万円、避妊手術の費用は約3万円です。
病院によっては、診察料・手術前の検査料・内服代・抜糸代などが手術費用とは別料金でプラスされることがあります。
ちゃちゃは男の子なので去勢手術費はすべて含めて約2万円でした!
犬の去勢・避妊手術は、動物病院に予約をすることで受けられます。
手術は15~30分ほどで終わり(避妊手術の方が時間がかかります)、何もトラブルがなければ当日におうちに帰れます。
体調や年齢で手術後が不安な場合は入院して経過をみることもあり、その場合は入院代をプラスして考えておきましょう。
補助金について
ペットと暮らす環境を整えるために、一部の自治体や獣医師会が助成制度を設けて、去勢・避妊手術のサポートをしてくれることがあります。
自治体による制度
助成制度を設けている自治体は多くはありませんが、犬の去勢・避妊手術に補助金をだしてくれる自治体があります。
自治体によって金額が異なるため、制度の有無とあわせて、内容についてもお住まいの自治体に確認してみてください。
自治体の助成制度は、捨て犬や捨て猫問題への対策として設けられたみたいだよ!
獣医師会による制度
各都道府県の一部の地域では、獣医師会が犬の去勢・避妊手術の助成制度を設けています。
こちらも、お住まい地域の獣医師会に確認してみてください。
愛知県名古屋市の犬の助成金制度(2023年)は以下のとおり。
【去勢手術】名古屋市より1,600円+公益社団法人名古屋市獣医師会より3,200円=計4,800円の給付
【避妊手術】名古屋市より3,200円+公益社団法人名古屋市獣医師会より6,400円=計9,600円の給付
実例の名古屋市では、補助金の有効期間が14日間であることや、補助券の枚数に限りがあること(なくなり次第終了)など条件があり、助成制度を利用したい方は注意が必要。
交付期間のチェックを忘れずにしておきましょう。
保護犬を検討している方は、動物愛護団体が譲渡犬の去勢・避妊手術の助成を行ってくれることも。
ペット保険の適用について
ペット保険に加入している飼い主の方は、去勢・避妊手術にペット保険が適用されるのかは気になるところですよね。
残念ながら、ペット保険は去勢・避妊手術には適用されません。
ペット保険は、愛犬が病気やケガをしたときに受ける治療に対して補償してくれるもの。
したがって、健康な状態で手術を受ける去勢・避妊手術は補償の対象外、となります。
去勢・避妊手術の時期は?
生後6か月前後を推奨
犬の去勢・避妊手術は強制されているものではないため、飼い主が悩んでいるうちに、あっという間に愛犬が成長してしまうことも……。
「去勢・避妊手術はまだ様子をみようかな」と思っている飼い主さんには、ぜひお伝えしたいことがあります!
それは「犬の体に大きな負担がかかる手術は、受けるタイミングがとても大切」ということ。
去勢・避妊手術は生後6か月ごろに受けるとメリットが多いとされ、
多くの動物病院でもその時期に手術を受けることが推奨されています。
多くの小型犬は、生後1年以内に性成熟を迎えます。
性成熟を迎えると、問題行動が始まったり、病気のリスクが上がったりするため、性成熟を迎える前の生後6か月前後が最も効果的なタイミングになります。
男の子が、足を上げておしっこするようになったら性成熟の始まりのサインと聞きました!
生後6か月でも、体重が2kg未満の子犬は成長を待ってから手術を受けるのが安心です。
体が小さいとそれだけ負担が大きくなるため、動物病院の先生とよく相談して手術時期を決めてください。
何歳まで去勢・避妊手術を受けられる?
生後6か月を過ぎてしまったら手術を受けられないわけではなく、手術に明確な年齢制限はありません。
しかし、手術には全身麻酔を使うため、犬が高齢になってくると体力が落ち、体への負担が大きくなります。
手術を検討しているなら、できるだけ早めに受けるに越したことはありません。
また、高齢期(トイプードルは7~9歳)に入ると病気のリスクが一気に高まります。
成犬になってから去勢・避妊手術を検討している方は、高齢期前の5歳ごろまでが目安です。
マーキングなど問題行動の改善は、ある程度成犬になってしまうと手術を受けても効果はあまり期待できません。
子犬のころに手術するメリットが多いんだね!
去勢・避妊手術をしないとどうなる?
去勢・避妊手術は法律で義務付けられているものではないため、手術を受けなくても飼い主として責任を問われることはありません。
去勢・避妊手術をしない場合のメリットは、愛犬の体に傷をつけず、手術のリスクもないこと。
しかし、手術を受けないことで、命にかかわるような病気のリスクが上がることを知っておくことも大切です。
将来の病気って予測できないからこわい……。
手術を受けた方が、健康に長生きできる可能性もあるってことなんだね。
ちゃちゃは病気のリスク軽減を考えて、生後6か月で去勢手術を受けました!
また、手術を受けないことで愛犬の問題行動に悩み、お互いが心地よく暮らせるまでに時間がかかるかもしれません。
お互いがストレスを感じていると、望んでいたような暮らしとはかけ離れてしまうこともあります。
去勢・避妊手術のメリットとデメリットをきちんと理解することで、手術に対しての漠然とした不安や悩みは解消されるはずです。
ここからは、去勢・避妊手術のメリットデメリットについてくわしく解説していきます。
去勢手術のメリット
オス犬がかかりやすい生殖器関連の病気を予防できる
高齢になると発症しやすい以下の病気を、去勢手術を受けることで予防できます。
- 精巣腫瘍
- 前立腺肥大
- 会陰(えいん)ヘルニア
- 肛門周囲腺腫
マウンティング行為が減少する
マウンティング行為は、ほかの犬や人、ものに対して愛犬が腰を振ること。
交尾欲求やストレス発散の目的が多く、単にじゃれているだけの場合もあります。
去勢手術をすることで、マウンティング行為の減少が期待できます。
マーキング行為が減少する
オス犬が足を高く上げておしっこをする行為がマーキングです。
自分の縄張りアピールのための行為でお部屋の中でも行うため、対策に悩むことも。
お友達のおうちに遊びに行くときも心配ですよね。
去勢手術を受けると男性ホルモンが減少。
縄張り意識も弱まるため、マーキング行為の減少が期待できます。
ストレスがなくなる
メス犬を追いかけまわしたり、ほかのオス犬に攻撃的になったりと、オス犬ならではの欲求が減少することでストレスがなくなります。
性格が穏やかになったと感じる飼い主さんもいるみたい!
繁殖を防ぐ
お散歩中やドッグラン利用中に、未避妊のメス犬との予期していない交尾やトラブルを防げます。
避妊手術のメリット
メス犬がかかりやすい病気を予防できる
避妊手術をすることで、メス犬が高齢になるとかかりやすい以下の病気の予防が期待できます。
- 子宮蓄膿症
- 乳腺腫瘍
どちらも重くなると命にかかわる病気なので、早めの予防が理想的です。
このうち乳腺腫瘍は、はじめての発情を迎える前(生後6か月ごろ)に避妊手術を受けることで、99.9%発症を予防できるといわれています。
初回発情後に手術を受けると92%に下がり、その後もだんだんと予防効果が下がっていきます。
女の子の場合は、乳腺腫瘍の予防効果は重要です!
生理によるトラブルがなくなる
避妊手術をしない場合、メス犬は生後6~10か月ごろから、生理(ヒート)が始まります。
期間は半年に1回、1~2週間ほど出血。
生理中の匂いでオス犬を引き寄せることから起きるオス犬同士のトラブルを防げます。
ストレスがなくなる
生理中は、落ち込んだり食欲が落ちたりと元気がなくなります。
反対に、生理後は神経質になったり怒りっぽくなったりと、ストレスを感じがち。
避妊手術を受けることで生理がなくなり、精神的にも安定します。
妊娠を避けられる
発情期はオス犬を引き寄せてしまうため、ドッグランやドッグカフェのようなほかの犬との接触が置きやすい場所に行くのは危険。
お散歩の時間や場所にも気を使うなど、アクシデントによる妊娠を避けるための行動が必要になります。
避妊手術を受けることで望まない妊娠を避けることができます。
去勢・避妊手術のデメリット
全身麻酔による手術のリスク
手術前に血液検査を行い、麻酔が使えるかを動物病院の先生が判断しますが、全身麻酔によるリスクはゼロではありません。
先生から手術の説明をしっかりと聞き、納得したうえで手術に臨むことが必要です。
太りやすくなる
手術後は、オス犬・メス犬ともにホルモンバランスの変化により、食欲が増して太りやすくなります。
太り過ぎは体によくないため、手術後は特に毎日の体重管理が大切。
決まった食事量と適度な運動を心がけることで、体重はキープできます。
栄養面のこともあるので、フードを切り替えるときは先生に相談してみてください。
ちゃちゃは、特に変化がありませんでした!
いつも食欲旺盛だよ!
子ども(子犬)がつくれない
赤ちゃんを産ませたいと途中で望んでも、手術後は叶いません。
手術前によく悩んで後悔がないようにしてください。
去勢・避妊手術のまとめ
去勢・避妊手術の費用
去勢手術:約2万円
避妊手術:約3万円
※トイプードルのような小型犬の平均費用
補助金とペット保険
補助金 | 一部の自治体と獣医師会に助成制度あり |
ペット保険 | 基本的に適用外 |
去勢・避妊手術の時期
生後6か月前後を推奨
成犬の場合は、5歳ごろまでの手術を推奨
去勢・避妊手術のメリット
去勢手術のメリット | 避妊手術のメリット |
---|---|
生殖器関連の病気を予防できる | メス犬特有の病気を予防できる |
マウンティング行為が減少する | 生理によるトラブルがなくなる |
マーキング行為が減少する | ストレスがなくなる |
ストレスがなくなる | 妊娠を避けられる |
妊娠を避けられる |
去勢・避妊手術のデメリット
- 全身麻酔による手術のリスクがある
- ホルモンバランスの変化により太りやすくなる
- 子ども(子犬)がつくれない
今は病気を防ぐ目的で去勢・避妊手術を行う飼い主さんが多いですよね。
手術をしないことでリスクが上がる病気について学ぶと、去勢・避妊手術の選択のサポートになります。
参考にしていただければうれしいです!